野草・山菜の知識-か行

ガガイモ(蘿摩)

ガガイモ科ガガイモ属の多年草です。
国内各地に分布しています。

ガガイモ

ツル性の植物で、近くの植物に絡みつく習性を持っています。

食用にするのは、若芽のついたツル先で、和え物、炒め物などにして楽しみます。葉は強壮剤として利用されます。
根はイケマ同様、毒があるので絶対に食べないようにしてください。晩夏以降にできる、にがうりのような実も食用になります。



カキドオシ (垣通し)

シソ科カキドオシ属の多年草です。4月から5月にかけて、淡い紅紫色の花を咲かせます。

カキドオシ

垣根を越えて隣にまで生えてしまうということから垣通し(カキドオシ)の名がつけられたようです。
葉の形が銭に似ていることから「レンセンソウ(連銭草)」とも呼ばれ、葉を摘んで干し、煎じたお茶は、子供のカンの虫や糖尿などにも効果がある生薬としても使われたことから「カントリソウ(疳取り草)」の別名があります。ヨーロッパでも、古くから民間薬として用いられてきました。

花が咲く前の茎の先端部分は、茹でておひたしなどにもなります。




カタクリ(片栗)

ユリ科カタクリ属の常緑多年草です。別名をカタカゴ(傾籠)といいます。
2月から5月ごろに紅紫色の花を咲かせます。

カタクリ

花の美しさも有名ですが、その名のとおり、根から片栗粉が作られます。
今ではその数が少なくなってしまったので、片栗から片栗粉が作られることはほとんどありません。
現在市販されている片栗粉は、大体じゃがいもから作られたものです。

花も葉も食べることができますが、自生するものは大変少なくなっていますので、万が一、見つけても採取することは避けましょう。




カタバミ (片喰)

カタバミ科カタバミ属の多年草です。葉の一方が欠けているように見えることから、この名前が付きました。

カタバミ

別名を「ゼニミガキ」といい、葉や茎で硬貨を磨くときれいになるそうです。
厚みのあるハート型の葉が愛嬌のある植物です。その葉の形から、クローバーと間違われることも多いようです。

葉をゆでるなどして食用にしますが、シュウ酸を含むためやや酸味があるのが特徴です。酢漿草(サクショウソウ)の名で、生薬として虫刺されに用いられています。




カラスノエンドウ(烏野豌豆)

蝶のような小さな花とくるんと丸まったひげがかわいらしい、マメ科ソラマメ科の二年草です。
別名を「ヤハズエンドウ(矢筈豌豆)」といいます。

カラスノエンドウ

国内の本州から四国・九州に分布しています。
さやえんどうによく似た実をつけます。中国では、薬用効果もあるといわれています。野原などで見かけたら、ツルの先や実をさっとゆでておひたしなどにします。




カラマツソウ(落葉松草)

キンポウゲ科カラマツソウ属の多年草です。
国内各地に分布しています。

カラマツソウ

知られざる山菜の一つです。
春先の茎先を食用にします。さっとゆでて、和え物やおひたしなどに。

7月から9月ごろに、白い細長い花が集まって丸い花を咲かせますが、名前はこの花の様子から来ていて、カラマツの葉を思わせるところから唐松草と呼ばれています。




カンゾウ(萱草)

生薬で有名なカンゾウとは違う種類です。こちらのカンゾウは、保護されているニッコウキスゲなどの仲間です。
ヤブカンゾウ(藪萱草)とも呼ばれます。 ユリ科ワスレグサ属の多年草です。ヤブカンゾウは八重咲き、ノカンゾウは一重咲きです。

ヤブカンゾウ

若芽や花は食用になり、ノカンゾウなどの春先の茎の先をおひたしなどにすると、至福の味を楽しめます。漢方薬では利尿剤として用いられています。
ただ、これも種が減ってきていますので、むやみに採取するのは避けましょう。




キクイモ(菊芋)

キク科ヒマワリ属の多年草です。北アメリカが原産です。
昔は雑草として悩みの種になる存在でありましたが、最近は健康食品として注目されている植物です。

キクイモ

根につく芋には“天然のインシュリン”と呼ばれている「イヌリン」という成分が含まれていて、生活習慣病などによいと言われています。イヌリンには、血糖値を下げる効果があるそうです。

芋は、11月頃がシーズンです。運良く見つけたら、1株持ち帰って自宅で栽培するのも手です。ただし、かなりの繁殖力がありますから、困らない程度にほどほどに。全く同じ姿のイヌキクイモは芋がなりませんのでご注意を。




ギシギシ(羊蹄)

「タデ食う虫も好き好き」で有名なタデ科ギシギシ属の植物です。
別名を「ウシグサ(牛草)」といいます。

ギシギシ

ほうっておくと1メートルにもなる巨大雑草の一つですが、食用になるのは、3、4月の若い芽の部分です。
アクがありますから、重曹などアク取りと一緒にゆでて、辛子醤油、酢味噌など、ちょっと濃い味付けで食べます。根は生薬、羊蹄根(ようていこん)の名で緩下剤として用いられます。




ギボウシ(擬宝珠)

ユリ科ギボウシ属の常緑多年草で、漢字で擬宝珠と書きます。

ギボウシ

夏から秋にかけて、白色から藤色、紫色などの花を咲かせます。別名を「ホスタ」ともいいます。
漢字に現れているように、つぼみが欄干(らんかん=橋などの両端にある柱)につける擬宝珠(丸い形をした飾り)に似ていることから、この名前がついたようです。

オオバギボウシなどはウルイとも呼ばれ、コバギボウシとともに、食べやすい山菜として愛されています。
ただ、コバギボウシは毒草のバイケイソウと似ているので、専門家のアドバイスが必要でしょう。




ギョウジャニンニク(行者大蒜)

ユリ科ネギ属の多年草です。
健康ブームで一躍人気者になりました。

ギョウジャニンニク

涼しい地方に分布していて、日本では、主に北海道に生えています。昔から北海道のアイヌ民族が健康増進のために、あるいは厄除けに活用していたようです。ネギの仲間で、強い匂いを発します。
ニラやネギなどのように、活用範囲が広い野草です。茹でて、酢味噌和えにするとおいしくいただけます。

名前の由来は、修行中の行者が食用にしたことから来ています。




キヨタキシダ(清滝羊歯)

イワデンダ科ヘラシダ属の夏緑性シダ類です。
国内各地の丘陵や山地の林内に分布しています。高さは50~90センチほどになります。

キヨタキシダ

赤コゴミ、一本コゴミなどとも呼ばれ、ワラビやクサソテツなどと同じ、シダの仲間です。
コゴミ(クサソテツ)同様、そのおいしさが珍重されてきたようです。一本コゴミの名にあるように、通常のシダ類とは違って、群生せず、1本ずつ生えているので、大量採取がむずかしいことでも知られています。

山の中の薄暗いところで見つけたら、ぜひそのおいしさを味わってみて下さい。アクがないので、炒め物、天ぷら、どんな料理でもOKです。




クサソテツ (草蘇鉄)

イワデンダ科クサソテツ属のシダ植物でコゴミ、コゴメなどとも呼ばれるシダの仲間です。

クサソテツ

古くから食用に利用されてきました。八百屋などでも山菜として売られていることがありますね。特有の香りとぬめりが楽しみどころです。
天ぷら、おひたし、和え物など活用範囲は広いです。くせがないので、子供達も一緒にどうぞ。




クズ(葛)

マメ科クズ属の多年草で、秋の七草の一つ。

クズ

国内各地に分布し、蔓の長さは10メートル以上になります。7月から9月ごろにかけて、紅紫色の花を咲かせます。

葛根湯、葛湯などの葛(クズ)です。秋の七草の中でも食用になるのはクズぐらいで、クズも根ばかりが漢方薬や食用として知られています。
実際は、ツルや花なども食用になります。クズは生命力が強く、ツル性植物なので、時には厄介者になるぐらいです。

山の中で見られることも多いですが、薬効のある根を上手に取り出すにはちょっとしたコツや時期などがありますから、地元の人のアドバイス受ける必要があるでしょう。




クリンユキフデ(九輪雪筆)

タデ科イブキトラノオ属の多年草です。漢字で九輪雪筆と書きます。

クリンユキフデ

本州から四国・九州に分布しています。山地の林に生え、高さは15~35センチほどになります。
4月から6月ごろに白色の花を咲かせます。
小さな白い花がいくつも重なって筆のように細長く咲く様子からこの名がつけられたようです。

野草の中では柔らかい部類に入ります。少しくせがありますが、花も葉も食べられますから、山などで見かけたらさっとゆでて水にさらし、ちょっと味付けして炒め物、和え物などにしてみましょう。




ゲンゲ(紫雲英)

東アジアから中国が原産の、マメ科ゲンゲ属の一年草です。
レンゲソウ、レンゲという呼び名の方がポピュラーかもしれません。

ゲンゲ

レンゲ=蓮華の名は、漢字を見ると分かるように、花の様子が蓮のように見えることから付けられたようです。レンゲといえば、蜂蜜というように、蜂蜜を作るために活躍している花でもあります。

昔は花びらを1つ1つ指で引き抜いて、根元から口で吸ってその甘い蜜を楽しんだりもしましたが、今となっては昔話で、寂しいものです。
山などで見かけたら、花が咲く前の若い芽の部分は、さっとゆでておひたしなどにしても楽しめます。花は4月から6月ごろにかけて咲きます。




コオニタビラコ (小鬼田平子)

キク科ヤブタビラコ属の2年草です。
別名、ホトケノザ(仏の座)とも言われ、春の七草の一つとして知られています。

コオニタビラコ

本州から四国・九州にかけて分布しています。水田など、湿気のあるところに生息しています。花が咲くのは3月から5月ごろにかけてです。
花が咲く前の時期、葉がロゼット状になっているところを根元から切り取り、新しい中心の部分をさっとゆでて和え物などにして楽しみます。

標準和名のシソ科のホトケノザは毒があるので食用ではありません。




コケモモ(苔桃)

ツツジ科スノキ属の常緑小低木です。
6月から8月ごろ、小さな白い花を咲かせます。

コケモモ

高山帯のハイマツの下あたりに生えていて、秋になると丸い真っ赤な実をつけます。生でつまむと甘酸っぱい味が広がります。高原の味として生食はもちろん、ジャムや果実酒などに利用されます。

山などで見かけたらちょっとつまんでみてはいかが?