野草・山菜の知識-さ行

シオデ (牛尾菜)

サルトリイバラ科シオデ属の落葉蔓性多年草。
「山のアスパラガス」の別名で通の間では知られた山菜です。

シオデ

国内各地のやや湿った林床や草地に生えます。
4月から5月ごろの若芽は、「アスパラガス」に似た風味と食感があるそうです。

少々固いのが難点ですが、柔らかめの先端を採取して、天ぷらなどにすると「今までなぜ教えてくれなかったのか!」と思うほどの味わいです。
ゆでておひたしや炒め物などにしてもおいしく味わえます。

また根茎および根は、牛尾菜(ぎゅうびさい)と呼ばれる漢方薬に用いられます。
7月から8月ごろ、葉腋から散形花序をだして、淡い黄緑色の花を咲かせます。秋には液果が黒く熟します。




シャク

セリ科シャク属の多年草です。

シャク

国内各地に分布し、山野の湿ったところに生えます。
高さは1メートルくらいになります。
「セリ」のような香りがあり、4月から6月ごろ、小さな白い花を咲かせます。

若芽は山菜に、根は薬用に利用されます。
シャクは昔から癖のない山菜として親しまれ、柔らかい茎や葉を天ぷら、おひたし、和え物、サラダなど広く調理に活躍してくれます。

乾燥させた根や全草を刻んで煮出した汁を浴用剤として利用します。風邪を引いたときには、このシャクのお風呂が最高です。
白い小さい花をたくさんつけるので、花も楽しめる野草です。




シロツメクサ(白詰草)

マメ科シャジクソウ属の多年草で、ヨーロッパ原産の帰化植物です。
いわゆるクローバーです。

シロツメクサ

名前の由来は、江戸時代の終わりごろ、オランダから献上されたガラス器具の箱の中に、乾燥したクローバーが詰まっていたことからきているようです。
また、牧草としても用いられます。

四葉のクローバーは幸運のシンボルとして知られていますが、ヨーロッパでは、中夏節(夏至)前夜に摘んだ四葉のクローバーには魔力が宿るという言い伝えがあります。

意外ですが、若い葉や花は食用になります。炒め物、和え物、さっとゆでてサラダなど。天ぷらなどでもおいしく味わえます。

昔は、誰に教わるでもなく、編んで冠などをよく作りましたが、今では生えている場所も少なくなり、出来る子も少なくなったのでしょうね。




スイバ (酸葉)

タデ科ギシギシ属の多年草です。
もともとはヨーロッパからやってきた植物で、国内各地に分布しています。

スイバ

葉をかむと酸っぱいので「酸い」葉という名がついたようです。
別名で「スカンポ」とも呼ばれます。5月から8月ごろ、花を咲かせます。

雪の残る時期のロゼット、春先の若い茎葉を食用にします。
おひたしなどにしてもよいですし、炒め物、卵料理などとも相性がよいようです。




スミレ(菫)

野の花として親しまれているスミレ。
スミレ科スミレ属の多年草です。

スミレ

国内の各地に分布しています。道端や堤防など、やや乾燥したところに生え、高さは7~15センチ程度になります。
名前の由来は、花の形が大工道具の「墨入れ」に似ていることから「すみいれ」→ 「すみれ」になったようです。

種類を問わず、食用としても充分に活躍してくれます。花や葉が食用になります。
100以上もの種類があるといわれ、素人が種類を見分けるのは難しいといわれます。高山に生えているものの中には、保護対象のものが多いですから、注意しましょう。




スベリヒユ (滑りひゆ)

スベリヒユ科スベリヒユ属の一年草です。
国内各地に分布し、7月から9月にかけて小さな黄色い花を咲かせます。日当たりのよい場所を好みます。
丸みを帯びた、厚みのある葉で識別が容易な野草です。

スベリヒユ

名前は、ぬめりある独特の食感から来ているようです。茎や葉の部分を食用にします。アクが強いので、重曹などを入れたお湯でしっかりと茹で、その後も水にさらしてあく抜きすることが必要です。
和え物、炒め物などにするとよいでしょう。

全草を乾燥させたものは、漢方の生薬、馬歯けん(ばしけん)として知られています。




ゼンマイ(薇)

ゼンマイ科ゼンマイ属の夏緑性シダ類。
山の幸としてワラビと並ぶ王者です。

ゼンマイ

国内の各地に分布しています。

山地のやや湿ったところに生え、高さは50~100センチにくらいなります。4月から6月ごろに芽が出ます。幼葉は全体が白い綿毛で被われていて、この若芽が食用になります。

名前の由来は、銭が回転しているように見えるところから 「銭舞(ぜにまい)」→ 「ぜんまい」となったようです。

醤油と油揚げで煮付けたものは、素朴な山の味覚としてなんともいえないおいしさがあります。
ゼンマイは、最近では貴重視されていたり、場所によってはその地域の特産品として地域の経済を担っていたりしますから、土地の情報を得てむやみに採取しないように注意しましょう。




ソバナ(岨菜)

うつむいた、釣鐘のような様子の花が美しい、キキョウ科ツリガネニンジン属の多年草です。

ソバナ

本州から四国、九州に分布しています。深山の林縁などに生え、高さは50~100センチほどになります。
8月から9月ごろ、淡い青紫色の花を咲かせます。

漢字で岨(そば)菜と書きます。急な山道のことをそば道ということもありますが、こうした道でよく見かけることからその名がついたようです。ツリガネニンジンの仲間で、花の感じがよく似ています。

若い茎や葉をさっとゆでておひたしなどにして楽しみます。