野草・山菜の知識-あ行

アカザ(藜)

アカザ科アカザ属の一年草で、日本全国、空き地などに生えている雑草として知られる植物です。

アカザ

古くから食用として栽培されてきた、帰化植物です。
花が咲く前の若い茎、葉の部分を、茹でておひたしやごまあえなどにします。

4~8月が採取の季節です。(花が咲くのは、9~10月)




アザミ(薊)

野の花の代表格であるアザミは、キク科の植物です。

目を楽しませてもくれますが、最近は、信州にいくとお焼きなどの具になっていることもあるようです。

アザミ

花が咲く前の若い茎葉を食用にします。バラよりは柔らかいものの、見るからに触ると痛そうな刺があります。種はたんぽぽの綿毛に似ていて、風に乗って飛んでいきます。

その通り、アザミという名は、傷むを意味するアサマから来ているようです。




アマチャヅル・アマチャズル(甘茶蔓)

ウリ科アマチャヅル属の植物です。葉に甘みがあることからこの名が付きました。

アマチャヅル

健康茶などで愛用されていますが、50種類以上のサポニンを含み、霊薬として有名な高麗人参と同じ成分もあると注目されているようです。

キャンプで野原などで見かけるかもしれません。
全草または葉を取って、家に帰ってから、乾燥させ、煎じてお茶として飲むとよいでしょう。




アマドコロ (甘野老)

ユリ科ナルコユリ科の多年草です。
ゆりを思わせる小さい花がすずらんのようにぶら下がる、可憐な野草です。

アマドコロ

国内の各地に分布し、4月から5月ごろに白い筒状の花を咲かせます。
生薬の萎?(いずい)または玉竹(ぎょくちく)としても利用されており、滋養強壮、老化防止などにも有効とされています。

ヤマイモ科のトコロのような地下茎ができ、食べると甘いことから、アマドコロの名前がついているようです。若芽はおひたしや天ぷらなどで楽しめます。
似た形をしたホウチャクソウと間違えないように。葉をかぐと不快感のあるにおいがするのが、ホウチャクソウです。




イカリソウ (錨草)

メギ科イカリソウ属の多年草です。
本州、近畿地方以北の太平洋側から北海道にかけて分布しています。

イカリソウ

花が船の錨に似ていることからこの名がついたようです。4月から5月ごろに白または淡い紫色の花を咲かせます。
昔から、薬草として高い強壮作用があるとされてきました。
苦味が強いので、料理用としてではなく、葉を乾燥させて煎じてお茶にしたり、薬用酒にして飲むのがよいようです。




イケマ(牛皮消)

ガガイモ科カモメヅル属の蔓性多年草です。蔓性なので、他の植物に絡み付いて生えています。

イケマ

国内の各地に分布し、7月から8月にかけて、小さな白い花を咲かせます。
アイヌの人々がよく利用していたようで、名前はアイヌ語で「大きな根」または「神の足」という意味だそうです。根には毒がありますが、利尿剤としても使われるようです。

茎先は美味とされ、山菜の中でも珍重されています。初夏、若芽を見つけたら先を採取し、さっとゆでて和え物や天ぷらなどにして楽しみましょう。




イタドリ(虎杖)

国内各地に分布するタデ科イタドリ属の多年草で、繁殖力があります。

イタドリ

6月から9月にかけて、小さな白い花を咲かせます。

根は虎杖根(こじょうこん)として、漢方薬に用いられます。痛みをとる作用があることからその名がついたようです。
また、食用としても楽しめます。春先の若い、柔らかい茎の先端を使います。酸味があるので、ゆでて水にさらしてから調理に使うとよいでしょう。和え物や汁物、天ぷらなどがおすすめです。




イヌビユ(犬びゆ)

ヒユ科ヒユ属の一年草です。熱帯アメリカ原産の帰化植物です。

イヌビユ

繁殖力が強く、農作物にまぎれて、畑でよく見かける雑草の一つです。「ヒユ」に似ているけれど、役に立たないもの、という意味で“イヌ”ビユという名になったようです。

でも、全く役に立たないということはなく、花が咲く前の若葉や若茎の先は食用になります。茹でて和え物などにするのがおすすめです。




イワタバコ(岩煙草)

イワタバコ科イワタバコ属の多年草です。
可憐な花を咲かせる野花として親しまれています。

イワタバコ

その名は、葉がタバコの葉と同じようであるところからきています。一時は種が激減し、問題になりましたが、現在は、園芸種が出てきてそちらの人気が高まっています。葉は胃の薬としても使われるそうです。

春先から初夏にかけての若い葉を見つけたら、少しだけ摘み取って、天ぷらなどにして楽しむのもよいでしょう。




ウド(独活)

山菜の王様とも言うべき、ウコギ科タラノキ属の多年草です。

ウド

国内各地の山野に分布し、高さは2メートルほどになります。「タラノキ」の仲間ですが、樹木ではありません。
8月から9月ごろに、小さな淡緑色の花を咲かせます。

自生するものだけでなく、栽培もされていますので、八百屋などでも見かけることがあるでしょう。通常、若芽や地下の白い部分を食用にします。
応用範囲も広く、採りたてのものに、味噌をつけてかぶりついたり、あるいは薄口の吸い物に、天ぷら、和え物、漬物に・・・。




オケラ(朮)

キク科オケラ属の多年草です。

オケラといえば、虫を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、山菜としてのオケラも、おいしい山の幸として歌に歌われるほど、愛されていたようです。

オケラ

青森以南の野山に咲き、春先の若い芽の部分を食用にします。茹でてあく抜きしてから、和え物、天ぷらなどに。
生薬の白朮(びゃくじゅつ)としても知られています。

また、京都の八坂神社では、大晦日の深夜にこのオケラを焚き、初詣に来た人たちが火を授かって持ち帰り、元旦の雑煮の種火にするという伝統行事の白朮参り(おけらまいり)があります。




オヤマボクチ (雄山火口)

キク科ヤマボクチ属の多年草です。別名を「ヤマゴボウ」ともいいます。
漢字で書くと、雄山火口(火口=ほくち)というすごい名前の植物です。

オヤマボクチ

火口とは、火打石で火を起こしたとき、火花を着火させて火種にするものを指します。その名のように、葉の裏側の綿毛が火がつきやすく、火口として利用されていたことに由来するようです。

葉や根を食用にします。天ぷらにしたり、餅などに混ぜて食べたり、長野のほうでは、乾燥させた葉の繊維を、そばのつなぎに使っているようです。根は漬物になります。